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マルチタスクが苦手でできなかった私が、エンジニアになって変われた理由と具体的な方法

マルチタスクが苦手でできなかった私が、エンジニアになって変われた理由と具体的な方法

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複数の仕事を同時に抱えると頭が真っ白になる。電話を受けながらメモが取れない。一つの作業に割り込みが入ると、さっきまで何をしていたか思い出せない。「自分はマルチタスクが苦手だ、できない」と感じて、この記事にたどり着いた方は少なくないと思います。

実は、昔の私もまったく同じでした。むしろ人よりひどかったと思います。それがエンジニアとして働くうちに、複数の案件や割り込みを落ち着いてさばけるようになりました。断っておきたいのは、これは才能が開花したという話ではないことです。マルチタスクは、やり方とマインドセットで底上げできる技術でした。この記事では、苦手だった頃の具体的な状態から、克服のために実際にやったことまでを順番にお伝えします。

昔の私は「マルチタスクがまったくできない」人間だった

まず、どのくらいできなかったのかを正直に書きます。同じ悩みを持つ方に、「ここまでひどくても変われる」と知ってほしいからです。

当時よくあった困りごと

思い出せるだけでも、こんな状態でした。

  • 作業中に話しかけられると、戻ったときに手順を最初から思い出さないと進められなかった
  • やることが3つ以上になると、どれから手をつけるか決められず固まってしまった
  • 「あれもやらなきゃ」という未完了のタスクが頭の中をぐるぐる回り、目の前の作業に集中できなかった
  • メールを書いている途中で別の連絡に気を取られ、どちらも中途半端なまま時間だけが過ぎた
  • 一日の終わりに、動き回ったわりに何も終わっていないと感じることが多かった

一つひとつの仕事ができないわけではないのに、複数を抱えた瞬間にパフォーマンスが崩れる。これが当時の私のマルチタスクが苦手な状態でした。

なぜできなかったのか

あとから分かったことですが、原因の多くは意志や能力ではなく、脳の仕組みにありました。そもそも人間の脳は、複数のことを文字どおり同時に処理するのが得意ではありません。世間で言う「マルチタスク」の正体は、同時並行ではなく、タスクの間を高速で切り替えているだけです。

この切り替えには毎回コストがかかります。別の作業に移るたびに、注意を切り替え、前にやっていた内容を記憶から呼び戻す必要があります。苦手な人ほどこの切り替えのコストが大きく、未完了のことを頭の中に抱え続けてワーキングメモリがいっぱいになり、目の前のことにも集中できなくなります。つまり、できなかったのは私が特別に劣っていたからではなく、脳の仕組みに逆らう形で頑張ろうとしていたからでした。

エンジニアの仕事が、できなかった私を変えた

転機になったのが、エンジニアとして働き始めたことです。この仕事は、複数のタスクや割り込みが日常的に発生します。作業中に別の依頼が飛び込み、調べ物の途中で問い合わせが入り、いくつもの案件が並行して進みます。苦手なままでは回りませんでした。

そこで嫌でも、記憶や気合いに頼るのをやめ、仕組みでさばく方法を一つずつ身につけていきました。ここで実感したのは、マルチタスクが得意な人は頭の中で同時処理しているのではなく、切り替えが発生しても崩れない「やり方」を持っているだけだということです。であれば、そのやり方は後から学べます。実際、私はそうやって変わりました。

マルチタスクが苦手な人が最初に捨てるべき誤解

具体的な方法の前に、考え方を整えます。ここがずれていると、どんなテクニックも効きません。

「同時にやろう」とするのをやめる

一番大きな誤解は、マルチタスクを「複数を同時にこなすこと」だと思い込むことです。前述のとおり、脳は同時処理が苦手です。目指すべきは同時並行ではなく、一度に一つへ集中し、切り替えをなめらかにすることです。マルチタスクの上達とは、実はシングルタスクをきれいにつなぐ技術だと考えると、一気に楽になります。

完璧主義を手放す

マルチタスクが苦手な人には、一つのことを完璧に片づけてから次に進みたいという気持ちの強い方が多くいます。私もそうでした。ですが、複数の仕事が動く状況では、全部を一度に完璧にはできません。「今は60点で先に進め、あとで戻って仕上げる」と割り切れるようになると、固まって動けなくなる時間が大きく減りました。

頭で覚えようとしない

やるべきことを記憶で管理しようとすると、それだけでワーキングメモリを食いつぶします。覚えるのをやめて、すべて外に書き出す。これを徹底するだけで、目の前の一つに使える集中力が増えます。

できるようになるために実際にやった方法

ここからは、私が身につけた手順を体系的に紹介します。難しい道具は要りません。順番に試してみてください。

手順1 すべてのタスクを頭の外に出す

まず、抱えていることを一つ残らず書き出します。紙でもメモアプリでも構いません。頭の中で回っていた「あれもこれも」を全部外に出すと、それだけで驚くほど落ち着きます。脳を記憶の保管場所ではなく、目の前の作業に使う装置として空けてあげるイメージです。

手順2 割り込みの受け止め方を先に決めておく

苦手な人がもっとも崩れるのが割り込みです。そこで、割り込みが来たときの動きをあらかじめ決めておきます。私の場合は、「すぐやるべきこと以外は、その場でメモだけ取って元の作業に戻る」と固定しました。あわせて、中断するときは今やっていた箇所に印や短いメモを残します。こうすると、戻ったときに最初から思い出す必要がなくなります。

手順3 タスクを小さく切る

大きな仕事のままだと、切り替えのたびに「どこまでやったか」を思い出す負担が大きくなります。そこで、一つの作業を15分程度で区切りのつく小ささに割ります。小さく切ってあると、割り込みが入っても切りのいいところまで進めやすく、再開もしやすくなります。

手順4 時間を区切って一つに集中する

「この15分はこれだけ」と時間を区切り、その間はほかのタスクを視界に入れないようにします。通知を切る、関係ない画面を閉じるといった小さな工夫で十分です。同時にやらないと決めて一つに集中したほうが、結果的に全部が早く終わります。

手順5 「今やらないこと」を決める

やることリストと同じくらい大事なのが、やらないことを決めることです。今日はここまで、これは明日、と線を引くと、頭の中に残る未完了の数が減ります。抱える数そのものを減らすことが、苦手な人にとっては一番効く対策でした。

参考までに、苦手だった頃と、変えたあとの行動を並べてみます。

苦手だった頃の行動変えたあとの行動
やることを頭の中で覚えようとするすべて書き出して頭を空ける
割り込みのたびに作業を丸ごと中断するメモを取って印を残し、すぐ元に戻る
大きな仕事に一気に取りかかる15分で区切れる小ささに割る
複数を同時に進めようとする時間を区切って一つに集中する
完璧に終えてから次へ進むいったん60点で進め、あとで仕上げる

それでも切り替えがつらいと感じるときは

ここまでの方法は、やり方の問題として苦手を底上げするものです。一方で、強い困り感が長く続く場合は、生まれ持った特性が背景にあることもあります。その場合は、自分を無理に矯正しようとするより、合う環境や進め方を選んだり、専門の窓口に相談したりするほうが前向きです。苦手を責める必要はありません。できる形に環境のほうを寄せていく、という発想も持っておいてください。

よくある質問

そもそも、なぜ人はマルチタスクが苦手なのですか

脳は複数のことを同時に処理するのが得意ではないからです。マルチタスクに見える作業の多くは、実際にはタスク間の高速な切り替えで、その切り替えのたびに集中を立て直すコストがかかります。苦手なのは普通のことだと考えて大丈夫です。

マルチタスクが得意な人と苦手な人は何が違うのですか

頭の中で同時処理できるかどうかではなく、切り替えが起きても崩れない仕組みを持っているかどうかの違いです。得意に見える人も、書き出す、区切る、集中するといった工夫を自然にやっているだけで、その多くは後から身につけられます。

完璧主義だとマルチタスクが苦手になりやすいのですか

その傾向はあります。一つを完璧に終えてから次に進みたい気持ちが強いと、複数が同時に動く状況で手が止まりやすくなります。いったん途中で切り上げて先に進む練習をすると、楽になっていきます。

まとめ

マルチタスクが苦手でできないと感じていた私が変われたのは、才能が目覚めたからではありません。同時にやろうとするのをやめ、頭の中のものを外に出し、割り込みの受け止め方を決め、小さく区切って一つに集中する。この仕組みを一つずつ身につけただけです。

マルチタスクは性格ではなく、学べる技術です。今できないとしても、それはやり方をまだ知らないだけかもしれません。まずは「抱えていることを全部書き出す」ところから、試してみてください。

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